内容積1リットルのシリンダーを想像してみて下さい。それは重量が無視できる可動式のピストンでとざされているとします。このシリンダーには大気圧下(約1 bar (g))で1リットルの空気が含まれます。0°Cにおいて、この体積の空気の質量は約1.293 gで、これは質量です。
このピストンをシリンダーの底に向かって半分だけ動かすと、中にある空気の体積は½リットルになり、圧力は約2 bar (g)となりますが、何も除かれず、何も加えられないために質量は変わらず1.293 gのままです。
この例によると、質量流量(マスフロー)は質量の単位であるg/h、mg/sなどで表現されるべきです。しかしながら、ほとんどのユーザーは体積単位で考え、体積単位を用いており、質量から体積への換算が求められます。この時、質量から体積に換算する条件が予め決まっていれば何の問題もありません。欧州では温度0°Cと圧力1.013 bar (a)がノルマル(n = normal)参照条件の基準と定義されており、下付きの文字"n"を体積の単位に付けることで明示します(mln/min、m3n/h)。温度20°Cと圧力1.013 bar (a)を基準とするスタンダード(s = standard)参照条件もあり、下付きの文字"s"を体積の単位に付けることで明示します(mls/min、m3s/h)。これらの条件を意識することは重要であり、混同すると7%の誤差に繋がります。