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カテゴリ:マスフローメータ・コントローラ

製品紹介記事 その46  FLEXI-FLOW Compact その2

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ブロンコストが2022年春に発表した新製品 FLEXI-FLOW Compact です。

FLEXI-FLOW

今回は
FLEXI-FLOW Compactの中核に当たる流量センサー部の構造に関してご説明しましょう。
FLEXI-FLOW Compactに採用された流量センサーは、TCSTrough Chip SensorTechnology バイパスフローセンサーと呼称されています。
今までの巻線型とMEMS型を融合して、巻線型センサーの器差の原因であったニクロム線を巻いたセンサーから脱却しつつ、従来培ってきた分流構造でのブロンコストのバイパスに関わるノウハウを活かし、広いレンジで高い精度、繰り返し性を維持できるセンサー技術なのです。


TCS_Technology
基本的に、このセンサーは2つの真っ直ぐな窒化ケイ素キャピラリーで構成され、それぞれの直径は100μm、壁の厚さは1μmです。上部の温度依存の金属抵抗器は、ヒーターおよび温度セサーとして機能します。
 

流路にただMEMSセンサーを配置するのではなく、巻線型センサーのセンサー部をMEMS技術で再現する事で、今まで培ってきた分流(バイパス)技術を利用した多彩な流量・圧力レンジでへの拡張性をうかがわせるブロンコストらしいマスフローセンサーだと思います。
まさに温故知新と言えますね。

 

TCS Technology バイパスフローセンサーを搭載したFLEXI-FLOW Compactに興味を持たれたら、是非ブロンコスト・ジャパン(株)へ

マスフローよもやま話 第74夜 マスフローが変わり者だと、専用電源も変わり者になる?

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MFC(マスフローコントローラー)やMFM(マスフローメーター)がACアダプターで動くか?というお話ですが、答は「まず一般的な家庭用ACアダプターそのままでは無理です。」となります。

もちろん例外もありますので、そのことをご説明しましょう。

 

MFCという一つの機械を動かすのに必要な「専用電源」。

カタログなどを読んでいだくと、仕様表、スペックシートと呼ばれる表に、以下の記載があるかと思います。

電源仕様 (例)

[電源電圧:±15VDC(±5%以内) 消費電流+側 Max 50mA -側Max 200mA]

[電源電圧:24VDC 消費電流Max 300mA]

電圧と電流のお話は・・・始めると長くなるので、忘れた方は理科の教科書か、ネットで検索してみてくださいね。

消費電流というのはメーカーによって異なります。
制御方式、アクチュエーターの種類が違いますから・・・ 

ここでは電圧で大きく種類を括りますと、①±15VDCと②+1524VDCとなります。

どちらかというと古いモデル、もしくは半導体製造装置用に使われているMFCは①が多く、一般工業用は②です。
ブロンコストのMFC/MFMは②で統一されています。
半導体製造装置向けでも最新装置用のDeviceNetTM等の通信対応モデル等は②です。
(何種類か黎明期のMFCでは異なる電源規格も存在しました。その昔モーターでアクチュエーターを動かしていたようなMFCもあり・・・と。この話は長くなるので割愛します。)
で、この①の±15VDCという定格の電源は、他の機器で使用されることがあまりないレアな電源になります。
まず一般家庭や民生用では使いません。
ですから、家庭のACアダプターには無理とお答えしました。

hook-up_diagram

ブロンコストIP40タイプの配線図の例

以前、計装技術屋さんから「DC±電源を使う工業機器というのも珍しいですよね。一般的に計測機器は24VDCじゃないのですか?」と聞かれたことがあります。
その通りなのです。
MFC/MFMの親戚のような流量計、圧力計はほとんど1224VDCです。
MFC/MFMだけが、なぜか±15VDC・・・その技術屋さんは「MFCの為だけに、装置の電気系に±15V電源を置かなきゃいけないですね・・・めんどうだな・・・」と嘆息されていました。
確かにおっしゃるとおりなのです。
装置で配管部品用の電源を置けるスペースを考えると、24VDC電源だけに統一したいのに、わざわざMFCの為だけに、±15VDC電源を置かなくてはいけないなんて・・・

スペースデメリットだけではありません。
変わり者の為に、これまた変わり者の専用電源を購入しなくてはいけないのですから、コスト面でも負担は増えることになります。

今ではその技術屋さんには、ブロンコストのMFCをお奨めしていて、喜んで使って頂いています。

なんでこんな変わり者になったか?は次回お話ししますね。


製品紹介記事 その45  FLEXI-FLOW Compact その1

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ブロンコストが2022年春に発表した新製品 FLEXI-FLOW Compact です。

FLEXI-FLOW_Compact

FLEXI-FLOW Compact


ブロンコストはこの新製品を “MASS FLOW CONTROL Redefined” と呼んでいます。

Redefined は日本語では再定義を意味します。
つまり「質量流量制御の再定義」を行う製品だという事なのです。

FLEXI-FLOW Compactには以下の特長があります。

・流量センサー、上下流の圧力センサー、温度センサーを搭載し、マルチパラメーターを実現!

・ブロンコストのどの製品よりも高速応答、セトリングタイム150mSec.を達成!


22種類のガスデーターがメモリーしており、単一もしくはそれらの混合ガスにガス種を切り替え可能なマルチガス対応!


EL-FLOW Prestige FG-201CVP 並みの温度・圧力によるCF補正機能搭載!

EL-FLOW Prestige並みの高精度 ±0.5% RD ±0.1% FSを実現!

・ファームウエアの切り替えでAPCAutomatic Pressure Controller)としての運用も可能!

FLEXI-FLOW Compactのグレード構成は大きく分けて3種です。

 

・拡張版(Preconfigured AdvancedPA
4つのレンジ(Full ScaleFS = 0.5/2/5/20 ln/min、窒素ベース)のMFC、ターンダウン1:500、流量+圧力+温度測定


・標準版(Preconfigured StandardPS 
4つのレンジ(Full ScaleFS = 0.5/2/5/20 ln/min、窒素ベース)のMFC、ターンダウン1:50、流量+温度測定


・受注生産版(Built-to-OrderBtO
 MFCMFM、最小0.5 ln/minから最大20 ln/min(窒素ベース)の間から任意にレンジを選択、ターンダウン1:1000;マルチチャネル版(最大8チャネル)


FLEXI_FLOWマルチチャネル版

マルチチャネル版


FLEXI-FLOW Compactのカラーリングは鮮やかなオレンジな事です。
オレンジと言えばオランダを表す色ですね!
ここでオレンジという色を選択してきたブロンコストの本気ぶりにテンションも一気に上がっています。

FLEXI-FLOW Compactに興味を持たれたら、是非ブロンコスト・ジャパン()

マスフローよもやま話 第74夜 専用電源ってACアダプターでいいの??

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皆さんの家でドラマやニュースを見ているTVは何で動いていますか??
そう「電気」ですね。
もっと具体的に書けば、家庭内のコンセントから供給される電気ですね。
TVに限らず家電製品は、日本では皆コンセントからAC100Vの供給を受けて動いています。

(余談)
ちなみにACとは交流(alternating current)、DCとは直流(direct current)という意味です。
alternatingですから、交わると言う意味から、電流の向きと大きさが交互に入れ替わる性質を表します。
対してdirectですから、電流の向きと大きさは常に一定という意味ですね。


ところで、MFC(マスフローコントローラー)やMFM(マスフローメーター)はどうでしょうか?
先週のお話で「AC100Vで動いているのでなくDC±15V、もしくDC1524Vですよ!」とお話ししました。
「コンセントには直接つなげませんよ!」ともお話ししましたね?
だから、「専用電源」が必要で、そのお話を今回はさせていただく・・・のですが、実は皆さんこの専用電源に似たものは既に実生活で使っているのです。

 それは例えばノートパソコンであったり、家庭用ゲーム機であったりします。
これらの機器は、見慣れたAC100V用の二極の家庭用コンセントから電源ケーブルを直接機器に接続するのではありません。
コンセントと機器の中間には、なにやら黒っぽい筆箱のような物があると思います。
これは「ACアダプター」という名前で呼ばれているもので、AC100Vでコンセントから供給される「電気」を、例えばPC用のDC19.5ViPhone用のDC5Vといった「電気」に変換するのが仕事です。
ACDCに変換する=AC-DCコンバーターとしての役割を担います。
MFCMFMの専用電源というものは、簡単に言えば最近ではすっかり身近なACアダプターのような物なのですね。

power

 「な~んだ。
ACアダプターがあればMFCは動くのですね?確か余ったアダプターがあったような・・・」(ゴソゴソゴソ・・・)

ちょっと待ってください!
確かに役割は似たような物ですが、ちょいとMFC特有のやっかいな事があるのです!

詳しいお話は次回です!
それまで、あわてないでくださいね。

製品紹介記事 その44 高圧気体の高精度測定にコリオリ式マスフロー

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ブロンコストの誇る微小流量コリオリ式マスフローは、他に追従を許さない勢いで世界的な人気製品となっています。

日本では最初はなかなか浸透しなかったのですが、ここ数年でその良さを御理解いただけたようで、一気に知名度が上がってきたようで、我々もうれしい限りです。

M1x

mini CORI-FLOWシリーズ

コリオリ式流量センサーは、唯一と言っていい完全な質量流量計です。

熱式も質量流量計なのですが、測定する流体の物性である定圧比熱(熱を奪う能力)を特定しないと正確な流量を測れないという弱点があります。
どんな種類の流体でも、それらがどんな比率で混ざっていようと、そしてその比率が刻々と変化していようと、温度圧力に影響されず質量流量で測定できるコリオリ式は非常に万能感があります。今流れている流体の質量流量と密度をリアルタイム測定できるというメリットは、使って頂くともう手放せないものなのです。


principle

出典:EZ-Japan

 

最近では高圧気体アプリケーションへの需要も頂いています。

コリオリ式はその原理上、密度の低い流体だとコリオリ力の発生が弱く、測定しにくいという弱点を有しています。

液体はよいのですが、気体は苦手なイメージがありました。

ところがある特性に優れている事から、気体でもコリオリ式が評価されるようになったのです。

それは応答性です。

熱式は熱の移動を捉えて流量を導き出す流量計ですが、熱の移動自体がゆっくりしたものなので応答性能の高速化は望めません。

マスフローコントローラー(MFC)の場合は、設定流量が予めインプットされるので、それに応じてバルブを先行して開ける制御でなんとかできますが、マスフローメーター(MFM)の場合は、センサーの実力勝負となりどろーんとした鈍い反応しか出力されません。

これは熱式だけではなく、他のどの方式も瞬時流量計といいながら、流量計はピークメーターではないのでリアルタイムでの流体の応答波形を測るのは苦手としてきました。

燃焼や成型といった下流側のワークに対して繊細なガス供給が必要とされる分野でコリオリ式の応答性の良さが着目されているのです。

高圧条件で圧縮すれば密度の問題はクリアできますので、非常に良好な結果が出ているようです。

「今まで見えていなかったガスの動きが可視化できた!」と大変好評です。

 

ブロンコストのマスフロー製品に興味を持たれたら、是非ブロンコスト・ジャパン(株)へ!

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